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【脊髄損傷127データから紐解く】体幹機能の伸び代と最適化されたエクササイズプログラムによる変化

更新日:11月1日

脊髄損傷の体幹機能

株式会社ユニバーサルトレーニングセンター(UTC)では、パーソナルトレーニングを受けているクライアントの皆さんに対して、定期的にAIを用いた動作分析を活用し身体機能の変化を測定し、レポート(ヘルスケア総合評価レポート)を作成しています。 今回の記事では、その身体機能評価の一部を用いながら、これまで実施してきた脊髄損傷者のデータをご紹介いたします。


 

【ヘルスケア総合評価レポートについて】

まず最初にUTCのヘルスケア総合評価レポートについて説明致します。


ヘルスケア総合評価レポートを簡単にご説明すると、ご自身の身体機能二次障害リスク(褥瘡・肩こり・筋緊張・基礎代謝・心肺機能)をそれぞれの障害レベルと比較して、どの程度の状態になっているかを表すレポートです。

これを通じて、皆さんがそれぞれ、伸ばすべき“強み”と、改善すべき“弱み”(課題点)を可視化することができます。 また、当社ではさらにそれぞれの状態に応じて取り組むべきエクササイズプログラムを同時にご提供しています。

身体機能評価

褥瘡・肩こり・筋緊張・基礎代謝・心肺機能


 

一つ一つがとても細いかいレポートなのですが、今回はそのヘルスケア総合評価レポートの身体機能評価の中から体幹機能(左右のリーチ動作)に関してご紹介いたします。


本レポートの中では座位での体幹機能(腹斜筋や腰方形筋)を評価するために左右のリーチ動作による評価を実施しています。 実施者は手を真横に広げてそのまま届くところまで遠くを触りに行くように体を倒していきます。

そして、この動作を動画に撮り、AIによる動作解析を用いながらどれくらいの変化があるかを調べていきます。


体幹左右リーチ動作

そして、下記がこれまで測定してきた脊髄損傷者のデータになります。(※今回は分かりやすいように脊髄損傷のみに絞っていますが、他の障害の方も実施しております。)

左が完全損傷者と不全損傷者両方合わせたデータ、右が完全損傷者のみのデータです。 横軸はどれだけ遠くにリーチできたかの距離、縦軸が障害レベルを表しているので、縦軸で上の方が障害が軽く、下の方が重度の障害ということになります。


完全損傷と不全損傷

当然のことながら、この散布図を見ると軽度の損傷(頭上の上部分)は遠くへリーチしていますし、重度の方はリーチ距離が短くなっています。

ここで重要なのはそれぞれの障害レベルでの平均と伸び代がわかるということです。

自分は体幹の麻痺が強いから、この動作ができなくても仕方ないと思っていた方でも、正しく柔軟性や筋力を強化すれば伸び代があるかもしれないのです。

あなたの体幹機能は同レベルの障害の中でも上に位置するのか?下に位置するのか?それとも平均レベルなのか?

その自分の現在地を知るためにも活用できるのです。



また、下記の表はレポートに基づいたエクササイズプログラムを実施した方々3名の変化になります。

対象者

開始時

6ヶ月後

Aさん: T12 (完全損傷)

25.0 cm

33.5cm (+8.5cm)

Bさん: T2 (不全損傷)

11.5cm

21.5cm (+10.0cm)

Cさん: C6 (完全損傷)

8.5cm

14.0cm (+5.5cm)

注目していただきたい点としては体幹機能がある程度効いている、Aさん(T12完全損傷)やBさん(T2不全損傷)の変化だけでなく、Cさん(C6完全損傷)の方でも5cm以上の変化があったのです。

ここでご紹介しているのはほんの一例ですが、どの障害レベルであっても、適切なエクササイズを定期的に取り組むことで、さらなる体幹の安定性を目指すことも可能なのです。


 


いかがでしたでしょうか?

単純に身体機能評価を行うだけでなく、評価に応じたエクササイズプログラムの提供とその効果測定までがセットになっているのが当社のレポートの特徴です。

今回は身体機能評価の一部分である体幹左右リーチ動作をピックアップしてご説明いたしましたが、実際のレポートではそれ以外にも柔軟性から筋力評価まで細かい評価を行っていますので、ぜひご覧ください。




また当社では新たに施設型のパーソナルトレーニング事業も開始しております。

東京駅の近くまで外出するので、せっかくなら施設で実施したいという方に対してのニーズにもお応えできるようになりました。

今回の評価を試してみたいという方、姿勢を改善したい、スポーツのパフォーマンスを上げたいなどなど、さまざまなご要望にお応えできますので、ぜひ一度お試しください。






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